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2014年11月9日日曜日

草木染めの師匠

今回の展示、「寧日」に向けて秋の材料で草木染めをしました。
草木染めをする時、よく祖母と一緒に染めます。

祖母は、機織りをしています。
綿から紡いだ糸を草木で染めて、織っていきます。
この道40年以上。
布になるまでの行程は大きく分けて7〜8つ。
祖母は農作業の合間に少しずつ糸を紡いだり、染めたり。
手間ひまかけた糸は帯や反物、コースター、タペストリーになります。
今年の2月頃から少しずつ教えてもらっているのですが、
糸を紡ぐのもやっとのことです。

そんな祖母と一緒に、日常にある草木を使って染めるのです。
昔ながらのその地域に伝わるやり方で、素朴で綺麗な色が生まれます。
今の季節だと、マリーゴールドや、ヨモギ、ススキなどでも。


いつも畑の片隅で染液をつくります。
薪を使い、釜戸でグツグツ草木を煮出します。
煮出すこと30分。ザルで濾して草木を戻し、
お水を注ぎ足しさらに30分。
1回目と2回目の染液を合わせて染液の完成です。
あとは色止めとして同時媒染します。
ミョウバンや、アルミ、鉄などを使います。
媒染剤によって、色味が変わるので、
染め上がりのイメージによって使い分けます。



































染め上がるまではっきりと色が分からない。
大体こんな色になるけど、本番勝負。
同じ植物でも採れる時期、その時の天気や、
乾燥させておく時間など、
様々な状況によって色が変わります。
また草木染めは、合成染料に比べて注意点は多いですが、
全体が退色して風合いが出てきます。

同じものができるかどうか分からないなんて、
既製服ではありえない事。
一点モノを作っているからこそ、味わえること。
「今回はどんな色になるかねー」
なんて話しながら、火で暖をとる。
時間はかかるけれど、ゆったりとしたこの瞬間が
とてつもなく大切な時間です。


おばあちゃん、これからも一緒にお願いします。

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