草木染めをする時、よく祖母と一緒に染めます。
祖母は、機織りをしています。
綿から紡いだ糸を草木で染めて、織っていきます。
この道40年以上。
布になるまでの行程は大きく分けて7〜8つ。
祖母は農作業の合間に少しずつ糸を紡いだり、染めたり。
手間ひまかけた糸は帯や反物、コースター、タペストリーになります。
今年の2月頃から少しずつ教えてもらっているのですが、
糸を紡ぐのもやっとのことです。
そんな祖母と一緒に、日常にある草木を使って染めるのです。
昔ながらのその地域に伝わるやり方で、素朴で綺麗な色が生まれます。
今の季節だと、マリーゴールドや、ヨモギ、ススキなどでも。
いつも畑の片隅で染液をつくります。
薪を使い、釜戸でグツグツ草木を煮出します。
煮出すこと30分。ザルで濾して草木を戻し、
お水を注ぎ足しさらに30分。
1回目と2回目の染液を合わせて染液の完成です。
あとは色止めとして同時媒染します。
ミョウバンや、アルミ、鉄などを使います。
媒染剤によって、色味が変わるので、
染め上がりのイメージによって使い分けます。
染め上がるまではっきりと色が分からない。
大体こんな色になるけど、本番勝負。
同じ植物でも採れる時期、その時の天気や、
乾燥させておく時間など、
様々な状況によって色が変わります。
また草木染めは、合成染料に比べて注意点は多いですが、
全体が退色して風合いが出てきます。
同じものができるかどうか分からないなんて、
既製服ではありえない事。
一点モノを作っているからこそ、味わえること。
「今回はどんな色になるかねー」
なんて話しながら、火で暖をとる。
時間はかかるけれど、ゆったりとしたこの瞬間が
とてつもなく大切な時間です。
おばあちゃん、これからも一緒にお願いします。
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